ストレスってつらいですよね。
ストレスをためないようにしようと思っても、知らず知らずのうちにためこんでいるもの。
それはあなたの思考体形がそうさせているのかもしれませんよ。
たとえば、「〇か×か」でいつも考えてしまうクセを持っているという人。
これは、認知のゆがみに関係する志向です。
なぜか楽しく生きられない、なぜか人間関係を楽しめない、なぜかマイナスに考えてしまうというとき、自分の認知体形にあるゆがみが関係しているのかもしれません。
うつ病など、心の病の精神療法に「認知療法」というのがあります。
この認知療法で知られたバーンズは、認知のゆがみを10種類に分類しています。
〇×で考えるクセはそのなかの「オール・オア・ナッシング」の思考と同じです。
物事をすべて白黒つけて分けてしまおうとする認知のことを言います。
なにかに出会うと、とっさに〇×で分けてしまう傾向があると、世の中が不安定になると、すぐに影響されてしまいます。
例えば、ひところはやった「勝ち組」「負け組」といったカラフルな色分けに翻弄されてしまうのです。
認知のゆがみというのは、そもそも非合理的な考え方です。
たとえばさっきの勝ち組、負け組で言うと、「〇〇できない人は負け組」という発想でも、そもそも何を根拠にそう言い切れるのか、というのは大いに疑問です。
根拠のない言い回しに振り回されて、自分や他人の価値を否定するとか、抑うつ的になってしまうのはよくありません。
こういう風に、物事をなんでも白黒つけて考えてしまいがちなのは、私たちをとりまく環境が、「結果重視」であるせいかもしれません。
仕事をすれば、ほとんどの場合、その成果でしか評価されません。
受験でも、結婚でもそうです。
受験の合格・不合格、または既婚・未婚のどちらかでしか注目されないことが多いですよね。
頑張っていろいろトライして、けなげに生きているのに、注目している人って少ないものです。
そんな中で生きていれば、いやがおうにも、白黒つけて生きてしまいたくなるものです。
でも、やっぱり物事って、はっきり白黒つけられるものではないのです。
今は「×」と思っていることが、あとになって、自分を生かすための良い財産になった、というようなことは決して珍しくありません。
だからこそ、今、ここで判断するのではなく、長距離の視点でものを見るのが大切なのです。
根拠もないのにすぐ判断を下そうとすると、自分や他人を追い込みすぎてしまいます。
そして心がつらくなります。
自分を振り返ってみて、そういう風に、すぐ判断しているな、と思ったら、意識して修正してみてはいかがでしょうか。
そのたびごとに、自分に問いかけるのです。
「それは根拠があるのか?」「その考えは現実的か?」などなど。こういう風に、問いかけて、考えを修正していけば、白黒つけてしまうクセから脱して、もっと心が楽になるはずですよ。