体の中をいつもベストな状態にコントロールしてくれているのが、自律神経です。
「自律神経が乱れる」とよく耳にしますが、これは、交感神経と副交感神経の働くバランスが崩れるということです。
働くべきときに働かなくなったり、どちらか一方の働きが異常に強くなってしまうときに、自律神経が乱れると言います。
それでは、自律神経が乱れると一体どのような症状が出てくるのでしょうか?
★交感神経の働き
自律神経の乱れによる症状を理解するには、まず、交感神経と副交感神経が具体的にどういう働きをしているか知っておくと便利です。
交感神経の働きには、次のようなものがあります。
・呼吸を激しくする
・汗を出す
・血圧を上げる
・血管を狭める
・心拍数を速くする
・胃腸の働きを抑える
交感神経は、一言でいえば「戦うための神経」です。
敵と戦うときの、興奮して緊張した状態を作り上げるんですよ。
怒っているときの状態を想像すると分かりやすいでしょう。
★副交感神経の働き
一方で、副交感神経は、交感神経と真逆の働きをします。
副交感神経の具体的な働きは、次の通りです。
・呼吸を穏やかにする
・汗が出ないようにする
・血圧を下げる
・血管を広げる
・心拍をゆっくりにする
・胃腸の働きを高める
副交感神経は、「休むための神経」です。
敵がいないときに、心身を癒して体をメンテナンスするのです。
眠る前のまどろんだ状態を想像すると分かりやすいですよ。
★自律神経が乱れるとどんな症状が出るの?
2つの神経の働きを見てみると、どちらの働きも生きるためには大切なことが分かりますよね。
そのため、自律神経が乱れてどちらかまたは両方の働きが悪くなったり、活発になりすぎると、体には次のような様々な不調が出てきます。
・動悸
・冷え
・頭痛
・めまい
・慢性的な疲労やだるさ
・便秘や下痢
・イライラ
・頻尿
自律神経の乱れによって、様々な不調が出てくることを自律神経失調症と言います。
自律神経失調症は、一般的な検査では異常が出にくいため、原因不明の症状として患者を苦しめてしまうのが特徴です。
★自律神経の乱れは病気も引き起こす?!
そして、なんと自律神経の乱れは、病気も引き起こしてしまうんですよ。
自律神経の乱れで発症してしまう病気には、以下のようなものがあります。
・過敏性腸症候群
腸の動きは自律神経によってコントロールされているため、自律神経が乱れると、腸の動きが過敏になって痙攣したり、動きが悪くなってしまいます。
下痢や便秘を繰り返したり、腹痛を伴った下痢または便秘に悩まされている方、緊張するとすぐに下痢になる方は、過敏性腸症候群の可能性があります。
・メニエール病
自律神経の代表的な症状に、めまいがあります。
中でも吐き気が強く、ぐるぐる目が回るような激しいめまいを何回も引き起こす病気がメニエール病です。
メニエール病では、耳鳴りや難聴などの耳の異常も起きるのが特徴です。
・胃炎
自律神経は胃の働きや消化液の分泌もコントロールしています。
そのため、自律神経が乱れると、胃酸が出すぎたり胃の働きが悪くなって胃炎を起こすこともあるのです。
自律神経は体全体の司令塔になっているため、自律神経の働きに異常が出ると、こちらで挙げた病気以外にも、様々な病気のリスクが高まります。
自律神経の乱れを感じたときは、放置せずに早めに対策するようにしてくださいね。