アンガーマネジメントでは怒りが「起きたら6秒待つ」というのが基本です。
怒りというのは起きた最初の6秒がピークで、そのあとになると和らいできます。
6秒後までまず待つ。それが基本です。
そしてその次に大切なのが、思考のコントロールです。
★思考のコントロール 「べき」の範囲を広げる
自分が怒っていても、相手に伝わらないことってありますよね。
それは自分と相手との間に感情の温度差があるからです。
アンガーマネジメントのためには、コミュニケーションする相手と、言葉についての共通認識を揃えておくことが大切です。
私たちはいろいろな物事に対して、「こうあるべき」だという考えを持っています。
そしてそのラインに、相手とのギャップがある時、怒りを感じます。
よくあるパターンは、夫婦のうち妻は「夫が育児を手伝ってくれるべきだ」と思うけれど、夫はなかなかやってくれない。
そうすると、妻はその「べき」が果たされないので怒ります。
何かに対して「そうあるべき」だと思っていること、そのものが、私たちを怒らせる元です。
つまりそれが自分の願望を象徴するものです。
そこで、自分の「べき」と相手の思う「べき」、周囲の「べき」を理解しておくと、どうしてずれが起きるのかがわかります。
誰でも自分が中心に世界が回っています。
自分が「こうあるべきだ」と思う時、それは自分にとってはとても理にかなったことで、正解なのですが、相手によってはそうではないかもしれません。
それを理解したうえで、「べき」の範囲を広げていきましょう。
自分を中心にした「べき」のサークルを少しずつ広げていきます。
それで、相手の「べき」のと重なる部分を作る。
これで、アンガーマネジメントしやすくなります。
アンガーマネジメントのためには、怒る必要があることと、ないことを区別するべきです。
怒ってトラブルになって、後悔するなら、怒らないほうがいいです。
そのためのカンタンな方法があります。
自分と相手の「べき」の範囲を確認してみることです。
まず、紙に三重丸を書いてみましょう。
円の一番内側が「相手と自分が同じ」という部分。もう一つ外が「少し違うけれど、許容範囲にあるもの」、一番外の円が「自分と違う許容できない」という部分。
具体的な例で見てみましょう。皆、時間は守ったほうがいいと思いますね。
でも、例えば、9時に集合ということになった時、何時に来る「べき」なのかというのは、人それぞれだったりします。
ある人は10分前に来るのが「べき」のライン、ある人は9時ジャストに来るのが「べき」のライン、別の人は5分くらい遅れてもいいや~、な「べき」かもしれません。
気の早い人やのんびりしている人、いろんな人がいます。
だから、同じ事象に対しても、「べき」の範囲って違うものなのです。
同じ人でも日によって気分が変わって、範囲が広まったり、狭まったりします。
その感覚を理解しないと、コミュニケーションは成立できません。
価値観を一緒にすればいいという話ではありません。
自分の境界を広げて、相手と触れ合う部分を増やす、これが大切です。